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桜に囲まれた根来寺の大塔、和歌山

和歌山 · 紀伊半島

根来寺

かつて日本でいち早く鉄砲を製造・使用した僧兵集団の拠点だった根来寺。いまは静かな寺院ですが、日本最大の木造大塔と約7,000本の桜で知られ、日本さくら名所100選にも選ばれています。

ttshr1970 · CC BY 3.0

私兵集団の拠点から、国宝の寺院へ

覚鑁上人は1095年、肥前国(現在の佐賀県)に生まれた真言宗の学僧で、高野山で密教の復興に力を注ぎました。鳥羽上皇の庇護を受けて1132年に高野山上に大伝法院を建立しましたが、高野山の僧たちとの対立の中で1140年に山を下り、根来に移って1143年に入滅しました。1288年ごろ、頼瑜僧正が大伝法院の学問の拠点を根来に移し、ここで大成した「新義」の教学が今の新義真言宗の源流です。根来寺の境内奥には覚鑁上人の御廟(奥の院)があります。

1500年代の根来寺は、寺院というより要塞化された町でした。寺の英語版の歴史では室町時代後期に約270の坊舎、境内古絵図には300〜400の院家が描かれており、宣教師ルイス・フロイスも『日本史』で根来に触れています。僧兵集団「根来衆」は鉄砲で知られました。岩出市によれば、1543年に種子島へ鉄砲が伝来すると、根来寺の津田監物が種子島に渡って鉄砲と火薬の製法を学び、根来で本州初の鉄砲を造らせました。根来の鉄砲隊は、戦国大名も無視できない勢力になりました。

その力ゆえに根来寺は標的となります。1585年3月、秀吉は紀州攻めを開始し(岩出市は10万の軍勢と記しています)、根来寺は大塔・大師堂など2〜3の堂塔を残して全山焼失しました。大師堂は1391年ごろの建立です。再興は1600年に徳川家康が許可するまで認められず、現在の伽藍の多くは紀州徳川家の外護のもとで再建されたもので、本堂にあたる大伝法堂(1827年)や、高さ約17mの大門(1852年)もその一つです。

多くの人のお目当ては大塔です。根来寺の大塔は下層が方形、上層が円形の二重の塔で、覚鑁上人が高野山に建てた大伝法院の大塔を忠実に再現したものです。1547年に完成し、高さ37m・幅15m、1952年に国宝に指定されました。珍しいことに内部に入って参拝でき、寺は「国宝の建造物で毎日中に入れるのは根来寺大塔だけ」としています。

根来寺の二層の大門と手前の石段
寺域の入口に建つ根来寺の二層の大門。

663highland · CC BY 2.5

近隣の宿泊先

根来寺自体に宿はなく、車で約30分の和歌山市が現実的な拠点になります。

根来寺に便利な和歌山市のホテル
ホテル1泊あたり(目安)特徴予約
ホテルグランヴィア和歌山$55〜JR和歌山駅直結で、岩出方面のJR和歌山線もここから。紀三井寺や和歌山城と組み合わせるのに便利。Booking.com →
ダイワロイネットホテル和歌山$53〜駅から徒歩圏内の手頃なビジネスホテル。Booking.com →
カンデオホテルズ南海和歌山$77〜南海和歌山市駅側の、やや上質なクラスの選択肢。Booking.com →
料金は公開直前に各掲載情報で確認した最低価格帯(米ドル表示)の目安です。

訪問の前に

秋もおすすめです。奥の院近くの「もみじ谷」は秋に一面の紅葉に染まり、初夏には境内の蓮池で蓮が咲きます。

工事のお知らせ:境内中心部の本坊は2025年に解体され、2026年も新築工事が続いています。工事期間中、光明殿・行者堂・聖天堂の拝観入口は光明殿前の総合受付となり、国の名勝に指定された庭園は光明殿の縁側からのみ拝観できます。最新情報は寺のお知らせページで確認してください。

池に浮かぶ聖天堂の朱塗りの壇にも注目を。この寺の名を冠した漆器「根来塗」です。八角形の不動堂には、高野山で暴徒に襲われた覚鑁上人の身代わりになったと伝わる「きりもみ不動」が祀られています。

根来寺は鉄道駅から離れており、バスの本数も少なめです。わかりやすいのはJR和歌山線の岩出駅から向かう方法で、岩出市巡回バス(150円)が「根来寺」に停まりますが、1日数本のみ。岩出駅からタクシーなら約10分で、寺には無料駐車場があります。

根来寺に宿泊施設はありません。多くの人は和歌山市に泊まり、半日の旅として訪れます。紀三井寺は和歌山市の反対側にあるため、同日に回るなら計画が必要です。6〜8月で車があれば、隣の紀の川市でのあら川の桃狩りも近くです。

紅葉を背にした根来寺の名草御殿と枯山水の庭
11月下旬の名草御殿と庭園。背後の山が黄や橙に色づいています。

Saigen Jiro · CC0

拝観:時間と料金

入山料1回で、大塔の内部を含む主要な境内を拝観できます。

根来寺:拝観時間と入山料
項目内容
拝観時間(4〜10月)9:10〜16:30
拝観時間(11〜3月)9:10〜16:00
入山料大人(中学生以上)500円、小人無料
団体(30人以上)1人400円
所要時間の目安中心部で約1時間、境内全体で約2時間
10月下旬法要のため大師堂・大塔・大伝法堂を拝観できない場合あり(0736-62-1144)
出典:根来寺 — 境内のご案内(拝観時間・入山料)、根来寺 英語ページ。

根来寺へのアクセス

JR和歌山駅からJR和歌山線で岩出駅へ。岩出市巡回バスで「根来寺」下車(150円、1日数本)、またはタクシーで約10分です。

大阪や関西空港方面からは北側からも行けます。JR阪和線の和泉砂川駅、または南海本線の樽井駅から、和歌山バス那賀の岩出方面行きに乗車します。近畿大学経由の便は「根来寺」に停まり、それ以外は「岩出図書館」(寺まで徒歩約10分)に停まります。事前に寺のアクセスページで時刻表を確認してください。

関西空港からタクシーなら約30分・8,000円前後。車の場合、和歌山市内や関西空港から約30分で、阪和自動車道泉南ICまたは京奈和自動車道岩出根来ICを利用します。