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和歌山県日高川町、道成寺の三重塔

和歌山 · 紀伊半島

道成寺

701年創建、和歌山県最古とされる寺。愛と裏切り、そして大蛇に姿を変えた女性の物語は、600年以上にわたり舞台の上で語り継がれてきました。

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恋物語と鐘、そして600年続く舞台の演目

熊野詣での道中にあった僧・安珍は、一夜の宿を借りた先の女性・清姫に想いを寄せられます。安珍は帰りに再び訪ねると約束しますが、その約束を破って逃げ出しました。清姫は安珍を追いかけ、日高川を渡る際、怒りのあまり巨大な大蛇へと姿を変えます。道成寺に逃げ込み、釣鐘の中に身を隠した安珍を見つけると、大蛇はその鐘に巻き付き、怒りの炎で安珍を焼き殺し、自らも川に身を投げました。

実はこの鐘自体にも、もう一つの伝説があります。1359年に鋳直された際、開眼供養の場に謎の踊り子が現れて鐘のそばで舞い、そのまま姿を消したと伝えられ、以来この鐘は祟りがあるとして、200年以上近くの山林に打ち捨てられていました。1585年、豊臣秀吉による紀州攻めの際、ある武将がこの鐘を掘り出して京都へ持ち去り、妙満寺に寄進されて今もそこにあります。それ以来、道成寺の鐘楼には鐘がなく、跡地だけが残っており、これは寺に伝わる「七不思議」の一つとされています。

この伝説は能の演目「道成寺」——踊り子が鐘の開眼供養に忍び込み、実は恨みを抱く大蛇の化身だったと明かされる物語——を生み、その流れを汲む歌舞伎舞踊「娘道成寺」とともに、今も能・歌舞伎双方で最も難易度が高く、頻繁に上演される演目の一つとなっています。寺に伝わる絵巻は室町時代後期(16世紀頃)の作とされる重要文化財で、今の絵とき説法でもこの絵巻の写しが使われています。

石段の上に建つ道成寺の朱塗りの仁王門
重要文化財に指定されている道成寺の仁王門。参道の石段の先に建つ。

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拝観:時間と料金

一枚の拝観券で、宝仏殿・縁起堂、そして安珍・清姫の物語を伝える絵とき説法まで見学できます。

道成寺:拝観時間と料金
対象時間料金
境内・宝仏殿・縁起堂・絵とき説法9:00〜17:00、年中無休(絵とき説法の最終回は16:00頃)大人700円/小学生350円
駐車場同上1台500円
出典:道成寺公式サイト。絵とき説法はほぼ毎時間開催され、個人であれば予約不要です。

訪問の前に

宝仏殿には、平安時代初期の千手観音立像と、脇侍の菩薩像が安置されており、いずれも国宝に指定されています。伝説を抜きにしても見る価値のある仏像です。

境内には、伝説の中心人物である安珍にゆかりの石碑「安珍塚」があります。

現在、道成寺に鐘は一つもありません。もとの鐘は16世紀に京都・妙満寺へ運ばれたまま戻っておらず、その後代わりの鐘も掛けられていません。これは寺に伝わる「七不思議」の一つで、ほかにも、仁王門まで続く62段の石段——上が広く下が狭い台形に組まれ、上りも下りも歩きやすいとされる——や、33年に一度、春の33日間だけ御開帳される本堂の秘仏・千手観音像(前回は2005年、次回は2038年の予定)などがあります。

道成寺は、日高川町という同じ町にある丹生神社の「笑い祭」とも近い距離にありますが、由来となる伝説はまったく別のものです。組み合わせて訪れるなら、テーマ性というより地理的な便利さとして考えるとよいでしょう。

道成寺境内にある、安珍・清姫伝説にゆかりの石碑「安珍塚」
境内にある安珍塚。伝説の中心人物・安珍にゆかりの石碑。

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大阪から道成寺へのアクセス

JR特急くろしおで新大阪・大阪・天王寺から御坊駅まで行き、そこからJR紀勢本線の普通列車で1駅南、道成寺駅へ。駅から寺まで歩いてすぐです。

御坊は白浜・紀伊田辺と同じ路線上にあるため、南へ向かう途中の立ち寄り先として組み込みやすい立地です。見学の目安は絵とき説法1回を含めて30〜45分ほど。20名以上の団体は大人1人600円に割引され、身障者用駐車場も追加料金なしで利用できます。