和歌山 · 紀伊半島
青葉まつり
毎年6月、千人を超える僧侶・稚児・踊り手・町の人々が、花で飾られた花御堂とともに高野山のメインストリートを練り歩きます。約1200年前にこの山を開いた僧侶の誕生日を祝う行事です。
神話の再現ではなく、今も生きる開祖の誕生日
収穫や神話を記念する祭りと違い、青葉まつりは、今も山の日常を形づくる特定の歴史上の人物の誕生日を祝うものです。真言宗の信仰では、弘法大師は835年に亡くなったのではなく、今も奥之院の御廟で入定を続けているとされ、僧侶は今も1日2回、大師に食事を運んでいます。つまりこの祭りは、山が「今もここにいる」と考える人物の誕生会だと言えます。
宗教行事としての歴史は古く、安永7年(1778年)に記された『金剛峯寺年中行事』に初めてその名が見え、当時は壇上伽藍の金堂で営まれていました。大正4年(1915年)に高野山大師教会が落成すると、会場は大師教会に移りました。一方、町を練り歩く行列はずっと新しく、主催する高野山奉讃会によると、昭和27年(1952年)6月14日の夜に当番の町内会が一の橋から大門まで大師音頭を踊り歩いたのが原型です。その後昼の開催となり、昭和61年(1986年)から鼓笛隊や御詠歌隊が、翌昭和62年(1987年)から商工会青年部のねぶたが加わりました。
行列は見せるための催しというより、地域の人々が担う行事です。花御堂には稚児大師が乗り、その四隅から「青葉娘」に選ばれた4人の女性が絵札を散華して観客にまきます。その後に大師音頭の踊り手、学校の児童、鼓笛隊、御詠歌の一行が続き、2025年には餅まきも行われました。るるぶによると見物客は約1万人です。
開催日は毎年確認が必要です。宗祖降誕会は必ず6月15日ですが、高野山奉讃会は2019年、週末に開催するため花御堂渡御を6月第2日曜日に移すことを決め、2024年は6月9日(日)に行われました。一方、2025年(日曜)と2026年(月曜)は6月15日当日に行列が行われています。予約の前に、金剛峯寺や高野町観光協会でその年の日程を確認してください。
祭りのスケジュール
近年の流れです。時刻は2025年・2026年の発表に基づくもので、訪問前にその年の日程を確認してください。
| 日時 | 内容 | 場所 |
|---|---|---|
| 花御堂渡御の前日の夜 | 前夜祭 | 金剛峯寺前の広場周辺。1987年から続いた高野ねぶたの巡行は2026年で最後となりました。 |
| 6月15日 9:00 | 宗祖降誕会 | 金剛峯寺に隣接する大師教会 |
| 渡御の日 12:00 | 花御堂渡御 | 一の橋からメインストリートを西へ、金剛峯寺・大師教会付近まで約1〜1.5km |
| 渡御の日 | 餅まき | 2025年のプログラムで実施 |
訪問の前に
行列の出発を見るなら、正午の少し前に一の橋へ。混雑を避けたいなら、メインストリートを西の千手院橋や金剛峯寺の方へ進んだあたりで、行列が来るのを待つのがおすすめです。歩行者は通行できますが、車両は規制されます。
祭り当日のおすすめの回り方:朝早く、混雑前で6時の生身供(弘法大師への食事の供え)が行われる時間に奥之院を歩き、正午の出発に合わせて一の橋へ戻ります。
6月の関西は梅雨の時期です。予報が晴れでも雨具を用意してください。高野山は標高が高いため大阪や和歌山市より天候が変わりやすく、気温もかなり低めです。
祭り当日も各お堂は通常どおりで、金剛峯寺・金堂・根本大塔は8:30〜17:00(受付16:30まで)です。拝観料、共通内拝券、宿坊については高野山の宿坊ガイドをご覧ください。
降誕会が営まれる大師教会は、ふだんの日も参拝者を受け入れています。写経(1,500円)や、短い授戒(1,000円、9時〜16時の毎正時、正午を除く)を体験できます。
6月の都合がつかなければ、高野山のもう一つの大きな夜は8月13日です。萬燈供養会(ろうそく祭り)では、19時頃から奥之院の参道に約10万本のろうそくが灯ります。
青葉まつりへのアクセス
南海高野線で難波から極楽橋へ(特急こうやで約80分、急行で約100分・多くは橋本で乗り換え)、高野山ケーブルで高野山駅へ(5分)、さらに南海りんかんバスで町の中心へ。合計1.5〜2時間を見込んでください。運賃やきっぷは高野山メインガイドにまとめています。
行列の出発地点へは「奥の院口」または「一の橋口」バス停、ゴール付近へは「千手院橋」または「金剛峯寺前」バス停が便利です。メインストリートの通行規制中はバスが迂回することがあるため、時間に余裕を持ってください。
山上に着いてしまえば、行列のルートは町のどこからでも歩いて行けます。