和歌山 · 紀伊半島
円月島
白浜のすぐ沖にある無人島で、海の浸食によって中央に穴が空いています。春分・秋分の前後数日だけ、夕日がちょうどこの穴の中に沈みます。
見られる場所と時期
円月島は白浜のリゾートエリア北部の「臨海」の沖にあり、海を挟んで京都大学白浜水族館の対岸、白良浜の北端からも歩いてすぐの場所です。展望場所は海沿いの道路脇、白浜臨海駐車場(有料)のそばにあり、階段で水際の岩場まで下りられます。
夕日が穴に重なるのは、太陽がほぼ真西に沈む春分・秋分のころだけです。駐車場下の岩場から見て、3月20日ごろと9月23日ごろのそれぞれ前後5日間ほど、夕日が穴の中に沈みます。それ以外の時期は島の脇に沈みます。チャンスは年に20日ほどで、水平線に雲があればさらに減ります。白浜町は夕景の見頃を夏は18時30分ごろ、冬は16時30分ごろとしており、2026年の秋分の日の日の入りは17時55分ごろでした。
穴に重ならない時期でも、夕暮れの円月島のシルエットだけで多くの人が足を止めます。「日本の夕陽百選」や「和歌山県の夕陽100選」にも選ばれており、晴れた夕方ならどの季節でも、オレンジ色の空に島が黒く浮かび上がります。
見た目より脆い島でもあります。堆積岩でできており、2010年の調査で穴の上の岩が強い地震で崩落するおそれがあると分かりました。白浜町は約半年の補強工事を行い、2014年10月に完了しています。町は2009年から島に近づかないよう呼びかけています。
正式名称は今も「高嶋」です。穴が丸い月のように見えることから付いた「円月島」という通称は、明治時代の詩歌や観光案内書を通じて19世紀末から20世紀初めにかけて広まり、今ではほとんどの人がこちらの名前で呼んでいます。
夕日が穴に沈む時期
夕日がほぼ真西に沈むときだけ穴に重なるため、見られるのは春分・秋分の前後に限られます。穴に沈む夕日の写真が旅の目的なら、この時期に合わせて白浜の日程を組んでください。
| 時期 | 見え方 | 日没の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 春分の前後5日間ほど(3月15〜25日ごろ) | 夕日が穴の中に沈む | 18時過ぎ | 祝日の春分の日と重なる |
| 秋分の前後5日間ほど(9月18〜28日ごろ) | 夕日が穴の中に沈む | 17時50分〜18時ごろ | 祝日の秋分の日と重なる。早めに到着を |
| 夏 | 島の脇に沈む | 見頃は18時30分ごろ | 夕方が長く暖かい。白良浜は海水浴シーズン |
| 冬 | 島の脇に沈む | 見頃は16時30分ごろ | 日没が早い。岩場の風に備えた服装を |
訪問の前に
穴に沈む夕日の定番写真は、円月島展望駐車場の下の岩場から撮られています。岩は濡れていて滑りやすいので、滑りにくい靴を履き、特に三脚を使うときは波に注意してください。春分・秋分の時期は、撮影者が日没のかなり前から場所を確保しています。
円月島は15〜30分程度の立ち寄りスポットで、半日を過ごす場所ではありません。白良浜の散策や、白浜の温泉宿での夕方の入浴と組み合わせるのが一般的です。
対岸にある京都大学白浜水族館は、日中の組み合わせにちょうどよい場所です。地元の海の生き物を中心にした小さな研究機関の水族館で、9時〜17時(入館16時30分まで)、年中無休、大人600円(現金のみ)です。
夕方は順番を考えて動きましょう。海辺の露天風呂「崎の湯」は9月は18時、10〜3月は17時に閉まり、日没前後には入れないため、先に入浴してから円月島へ向かうのがおすすめです。「臨海」バス停からの夕方以降のバスは本数が少ないので、最終便を確認するか、白良浜沿いのホテル街まで歩いて戻るつもりでいてください。
円月島は2010年に国の名勝に指定され、その後、白浜南部の千畳敷と三段壁も同じ名勝に追加されました。3か所とも眺めるだけなら無料ですが、三段壁の洞窟は有料です。
アクセス
JR白浜駅から明光バスで「臨海(円月島)」バス停まで約16分、そこから展望場所まで徒歩約5分です。駅からタクシーなら約15分です。
車なら紀勢自動車道・南紀白浜ICから約15分。展望場所のそばの白浜臨海駐車場(有料)を利用してください。
白浜に宿泊していれば、白良浜の北端や周辺のホテルから歩いて行ける距離です。